虹の都へ
あふれてくる涙にどうにかできなくて、あたしは地面にしゃがみ込んだ。

堰(セキ)を切ったように流れる涙に泣きじゃくることしか、あたしにはできない。

しばらく、あたしは泣いていた。

「落ち着いた?」

その声に顔をあげると、心配そうにあたしを見下ろす柊くんの顔があった。

「少しは…」

「そっか」

柊くんは優しく微笑むと、
「少し、どこかへ行くか?」


柊くんに連れられるようにきたところは、公園だった。

虹と一緒にきた噴水のある大きな公園ではない。

ポツンと、忘れられたようにベンチが置いてある小さな公園だった。
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