虹の都へ
「柊くんのお兄さんと瀬名さん、ケンカしたって虹が言ってた。

虹、2人のことを“熟年夫婦みたいなカップルだから、仲直りして欲しい”って言ってた。

けど、瀬名さんは“別れたい”って思ってて…。

それでまた、ケンカになっちゃって…」

言えば言うほど、内容がまとまらなくなって行く。

「虹、瀬名さんを追いかけて…。

あたしも、虹を追いかけて…」

追いついた先に見たものは、思い出したくないあの光景。

視界が、だんだんとぼやけて行く。

涙が、今にもこぼれ落ちそうなことを知らされる。

ヤダ、また泣きそう…。
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