虹の都へ
「瀬名さん――涼子と、つきあうことになった」

虹が言った。

聞いた瞬間、心がバラバラになった。

バカ…。

何を言われても、大丈夫なはずでしょ…?

「…そ、そう…」

あたしは返事した。

涙が、出てきそうになる。

あたしはこらえて、唇を開いた。

「あたしもね…柊くん――健人とつきあうことになった」

そう言ったあたしに虹は驚いた顔をしたけど、
「そうか」
と、一言返事した。

これで、いいんだよ。

虹は瀬名さんと、あたしは健人とつきあう。

これでいいんだ。
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