虹の都へ
「雨降ってたから、送ってもらっちゃった」

「そう」

「虹こそ、瀬名さんとどう?」

言った瞬間、虹は表情を変えた。

「虹?」

あたし、変なこと言った?

「ああ、涼子のヤツ最近何だか忙しいらしい」

「そう」

「仕事だし、仕方ないな」

虹は寂しそうな顔をしていた。

あたしは気づかないフリをして、
「そうね」
と、返事した。

あの日以来、何とかあたしたちは関係を保っていた。

お互いの交際を認め、祝福した。
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