虹の都へ
時間って、あっと言う間だ。

特に、虹と過ごしてからは毎日あっと言う間。

「あ、時間だ」

天気予報をやっていたテレビを切ると、支度を始めた。


「お疲れ様、健人」

「ん、瑞希もお疲れ」

なんてやりとりをしながら、あたしたちは店を出た。

どしゃ降りだった雨は、小雨程度になった。

「早く梅雨明けないかなー」

傘を差しながら、あたしは言った。

「さすがに、7月にもなれば明けるんじゃね?」

「そう」

ポツポツと降ってくる雨を傘で受け止めながら、あたしたちは他愛もない会話をしていた。
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