虹の都へ
テキトーに話をしながら、ふと横を向いた時、あたしは立ち止まった。

えっ…?

その光景に、ウソだと思いたかった。

「瑞希?」

あたしの様子に気づいた健人が立ち止り、同じ方向に視線を向ける。

その光景を見た瞬間、健人は驚いたように目を見開いた。

「兄貴…?」

その言葉は、震えていた。

だって…だって、ねえ?

健人のお兄さんと瀬名さんが、一緒にいるんだよ?

何で、別れたんじゃないの?

虹とつきあってんじゃないの?

なのに…何で一緒にいるの?

いろいろな疑問が、頭の中をグルグルと回る。
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