虹の都へ
2人の前をふさぐように、あたしは仁王立ちをする。

「…瑞希、ちゃん?」

瀬名さんの声が震えているのは、あたしの躰から流れるただならぬオーラのせいか。

あたしに見られたことが恐ろしいとでも言うように、目が怯えている。

ズカズカと音を立てて瀬名さんの前にくる。

パンッ!

乾いた音が響いた。

瀬名さんの白い頬には、紅葉のような赤い手形。

「何やってるのよ!」

あたしの怒鳴り声に、瀬名さんはビクッと震えた。

見る見るうちに、顔が青ざめて行く。

「虹とつきあったんでしょ!?」
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