虹の都へ
あたしは靴を脱ぐと、キッチンに行く。

「あ、そうだ」

虹が思い出したように言った。

「どしたの?」

冷蔵庫を開けると、寒いくらいの冷気が出てきた。

冷気に躰を震わせながらも、中の食材を確認する。

「梅雨明けしたらさ」

「ん」

「2人でどこか行くか?」

「えっ?」

取り出したバターを落としそうになった。

2人って……あたしと虹?

「何か都合悪い?」

「えっ?

……ああ、いいんじゃない?

どっか行こうか?」
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