虹の都へ
急に心臓がドキドキし始める。

もう、何してんのよ!

「まあ、傷心旅のつもりでさ」

傷心……失恋したもんね、あたしたち。

「行き先はどうするの?」

「それは俺が考えておく」

パチリと、虹はウインクをした。

不覚にも、あたしの心臓がドキッと鳴る。

「じゃあ、考えてよ。

決まってないって言っても、あたしは手助けしないから」

って、何かわいくないこと言ってんのよ、あたしは。

まあ、とりあえずはあたしも虹もフリー。

あたしが虹に思いを伝えるかどうかは、まだ別の話。

この先のことなんて、まだわかんないから。
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