虹の都へ
あたしが言うと、虹はニコッと笑った。

その笑顔に、あたしの心臓がドキッと鳴る。

「じゃ、片づけ終わったら言えよ」

それだけ言うと、虹はキッチンから出て行った。

虹がいなくなったのと同時に、あたしは息を吐いた。

そう言えば、虹と2人で出かけるのは今日が初めてだな。

そう思いながら、あたしは残りの片づけを済ませた。


外に出たとたん、ムッとした熱気が躰を包んだ。

「――暑ッ…」

熱気だけでも日焼けしてしまいそうだ。

7月になったとたん、太陽が強くなった。

梅雨の間中、太陽は顔を出してなかったからなあ。
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