虹の都へ
道路は目玉焼きが作れるんじゃないかってくらい、太陽の強い光を浴びていた。

「駐車場に行く前にこっちが焼けそうだな」

頭に黒のハンチングをかぶった虹が苦笑する。

「って言うか、帽子黒はないでしょ」

「何で?」

「何でって、頭が焼けるんじゃないかしら?

黒は太陽の光を受け止めやすいし」

そう言ったあたしに虹は笑うと、
「黒の帽子で頭が焼けたら、黒の帽子だけ売ってないよ」
と、言った。

「それもそうか」

返事すると、エレベーターのボタンを押した。


「あー、焼け死ぬ…」

夏の車の中は、最悪だ。
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