虹の都へ
どこへ行っても、太陽の光は同じらしい。

なんて思いながら目の前の海を見ると、どこまでも続きそうな深い青が広がっていた。

「こうして見てるのも悪くないな」

いつの間にか、虹があたしの隣にきていた。

こうして近くで見ると、虹は背が高い。

チビなあたしは見あげてみないと、虹の顔はよく見えない。

やっぱり、虹は年上なんだなと思ってしまう。

虹は大人なんだなと思ってしまう。

「先輩の弟とうまくやってる?」

虹が言った。

先輩の弟――それは、柊くんのことを言っているんだと理解した。
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