虹の都へ
思いにふけるヒマがあるなら料理しろっつーの!

自分を叱りながらハンバーグを焼く。

その時だった。

「――ッ、虹!?」

後ろから伸びてきた手に、あたしはビックリして振り返った。

「んー?」

おかしいのかとでも言うように、虹は首を傾げた。

後ろから虹に抱きしめられたあたしは、恥ずかしくて仕方がない。

当の本人の何でもないとでも言うような顔に、あたしは年の差を感じてしまう。

「何してるの?」

あたしは虹に聞いた。
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