虹の都へ
なあ、瑞希。

何で俺たちは別れたんだろうな?

あの時考えていれば、こんなことにならなかったのかな?

こんな思いをしなかったのかな?』

「――虹…」

呟いた瞬間、目から涙がこぼれ落ちた。

あたしだって、別れたくなかった。

虹と一緒にいたかった。

結婚しようって、約束していた。

でも、それはかなわなかった。

あの出来事がなければ、あたしたちは今も一緒にいられたのかな?

結婚も、していたのかな?

けど、あたしたちは別れてしまった。

2年前のあの日に、あたしたちの関係が終わってしまった。

「――虹、会いたいよ…」
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