虹の都へ
あたし…本当に、虹のことが好きなんだな。

虹のことがどうしようもないくらいに好きなんだな。

虹に抱きしめられながら、あたしは思った。


日曜日。

「瑞希行くぞー!」

玄関先で虹が呼んだ。

「わかった!」

あたしは返事すると玄関に行く。

靴を履いていたら、
「ったく、遅い」

あたしを見下ろしながら虹が言った。

「仕方ないじゃん、髪がまとまんなかったんだし」

靴を履き終えると、立ちあがる。
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