虹の都へ
「あ、キティちゃん」

あたしの視界に入ったのは、ご当地キティちゃんのストラップだ。

おみやげの定番だけど、やっぱりかわいい。

ジッとそれを見ていたら、
「買うの?」

後ろから虹が声をかけてきた。

「見てるだけ」

あたしはストラップから目を離すように、隣を見る。

「ねえ、虹!」

それを見た瞬間、あたしは虹の腕を引っ張った。

「何だよ」

機嫌が悪いのか、虹は投げやりである。

「見て!」

あたしはそれを指差した。
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