虹の都へ
「半分あげるって言われても…」

なかなかイエスと言わない虹に、あたしは必死にねばった。

おみやげ屋さんのド真ん中でワーワーと交渉するあたしたちを、周りは不思議そうに見ていた。


「はあ…」

ハンドルに額を寄せると、虹はため息をついた。

そんな虹の隣で、あたしは1人盛りあがっていた。

あたしの手にはさっき買ったハートのペンダントがあった。

交渉の結果、あたしの勝利。

「虹にもあげる〜♪」

あたしは半分のハートを虹に差し出した。
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