虹の都へ
「いや、俺はいい…」

ストップとでも言うように手をあたしの前に出し、虹は投げやりに言った。

「別に、持ってるだけでもいいから」

差し出した手にあたしはペンダントを渡した。

「おい、コラ」

「持ってるだけ。

つけろなんて言ってないから」

虹は仕方ないと言うように、ペンダントを受け取った。

虹がペンダントを受け取ったところを見送ると、あたしは首にペンダントをかけた。

「似合う?」

首にかけたペンダントを強調するように、あたしは言った。
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