虹の都へ
「わあっ…!」

とたんに歓声があがった。

次々と夜空に、キレイな花が咲く。

「キレイ…」

上を向きながら、あたしは呟いた。

咲いては消えて行く、夜空の花。

美しくて、儚い。

でもそれが、花火のいいところなんだと思う。

しばらく花火を見ていたら、
「瑞希」

耳元で、虹に名前を呼ばれた。

そっと隣を見ると、虹があたしを見つめていた。

あまりにも見つめてくる虹に、恥ずかしくて顔が紅くなる。
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