虹の都へ
あたしの顔、虹に気づかれなきゃいいな…。

恥ずかしくて顔をそらしたいはずなのに、できないのは何故?

ドキッ…と、心臓が音を立てる。

虹の目が真剣過ぎて、何も言えない。

その目に吸い込まれそうになった時、唇が触れた。

人がいるのに…!

そう言いたいところだけど、忘れてしまう。

温かくて、優しい虹のキス。

そっと目を閉じると、周りの音が消えた。

虹しか、見えない。

虹しか、愛せない。

ずっと、虹を愛したい。

大好きな人のぬくもりを感じながら、あたしは誓った。
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