虹の都へ
そんな虹の様子を、あたしは理解する。

虹は心配しているんだ…と。

それが嬉しくて、笑いが出てきそうになった。

笑っちゃったら、心配している虹に失礼だもんね。

「心配しないでよ、虹」

そう言ったあたしに虹は視線を向けた。

「あたしだって、四捨五入したら20になるんだよ?

そんなのお互い様じゃない」

あたしは言った。

「それに…」

あたしはニッと歯を見せて笑って、
「あたしがフラフラと、虹以外の男に行くわけないでしょ」

そう言ったあたしに、
「そうだな」

虹も笑った。
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