虹の都へ
虹らしい、モノトーン一色で統一された部屋。

その部屋のベッドであたしは横になっていた。

「待てって言っても、やめないからな?」

濡れた髪をバスタオルで拭きながら、虹が言った。

「…大丈夫、だもん」

そんな虹を見ながら、あたしは言った。

「やめるなら、今のうちだぞ?」

「だから、大丈夫だってば」

虹ったら、意外にも心配性なんだから。

そうは言っても、あたしの心臓は高鳴っていた。

だって…本当に、虹としちゃうんだもん。
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