虹の都へ

虹のお父さん

花火大会から時間は過ぎ、暦は8月に入った。

「今日は何にする?」

「今日は何にしよっかなー?」

8月最初の日曜日の夕方。

虹との買い物の帰り道だった。

いつも通り笑いながら、家についた時だった。

「あっ…」

ついた時、あたしは声をあげた。

声をあげたのも、当然だった。

何故なら、家の前に誰かがいたから。

キチンとスーツをきた、紳士的な男の人だった。

年齢的には、おじさんだ。

「瑞希、どうした?」

あたしの視線を追って、虹も彼を見る。

「親父…」
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