虹の都へ
「どうしたんだよ、親父。

きてくれるんだったら、連絡してくれればいいのに」

「ああ、すまない」

虹のお父さんが言った。

あんまり、虹に似てないんだな。

虹のお父さんを見て思った、あたしの印象だ。

親子だから似てるのかと思ったけど、あんまり似てないのね。

口に出すのは失礼なので、心の中だけで思うことにした。

「虹、その方は?」

虹のお父さんがあたしに気づいたらしい。

「初めまして、高橋瑞希です。

4月から、虹さんと一緒に住まわせてもらってます」

あたしは頭を下げて、自己紹介をした。
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