虹の都へ
「高橋…?」

虹のお父さんがそう呟いたかと思うと、眉をひそめる。

あたし、変なことを言ったかしら?

「4月から一緒に住んでるんだ。

今は、結婚を前提につきあってる」

虹が説明する。

「――虹、少しの間高橋さんを借りていいか?」

虹のお父さんが言った。

少し借りるって……ええっ!?

戸惑うあたしに、
「えっ、いいけど…」

虹が言った。

いいけどって、虹!

あたしは戸惑っていた。
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