虹の都へ
なんて思いながら、
「そうね、暑いから中に入ろっか?」

あたしは虹をうながす。

「ああ、そうですね」

虹は首を縦に振ってうなずいた。

「これ、つまらないものですが」

リビングに入ると、虹はお母さんに紙袋を差し出した。

「まあ、わざわざ」

お母さんは紙袋を受け取ると、お礼を言った。

「すぐにお茶の用意をしますので、適当に座っててください」

紙袋を持って、お母さんがキッチンに行く。

「あたしも手伝う」

お母さんの後を追うように、あたしもキッチンに行った。
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