虹の都へ
「そ、4月から」

あたしが言っても、お母さんは驚いた顔をしている。

「最初はね、本当にルームメイトだったの。

いわゆる、ルームシェア?

虹が同居人の募集をしてて、それにあたしがきて…」

説明しても、お母さんの表情は変わらない。

何だか言い訳をしているような気持ちになった。

「お母さん?」

あたしは呼んだ。

「えっ?」

「大丈夫?」

あたしは聞いた。

さっきから、何だかお母さんの様子が変だ。

「ああ、大丈夫よ」

お母さんは笑った。
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