虹の都へ
間違いなかった。

あの人は瑞希のお母さんだ。

瑞希とは、俺のルームメイトで彼女。

彼女のお母さんとは、この前の休みに会ったばかりだ。

優しくて、“お母さん”と言う言葉がよく似合っている人だった。

そんな人が、何で会社にきているんだろう?

何か用事があるのだろうか?

受付嬢が瑞希のお母さんをエレベーターに案内する。

「最上階が社長室です」

社長室?

社長――つまりは、俺の親父のことだ。

親父に何の用なんだ?

俺はもう1つのエレベーターで後を追うことにした。
< 251 / 295 >

この作品をシェア

pagetop