虹の都へ
ムダにデカい社長室のドア。

ドアと言うよりも壁だな。

そう思いながら、俺は観葉植物に隠れて様子をうがかった。

視線の先にいるのは、瑞希のお母さん。

コンコンと、彼女は社長室のドアをたたいた。

「どうぞ」

ドアの向こうから親父の声がした。

「失礼します」

瑞希のお母さんはドアを開けると、中に入って行った。

中に入ったことを確認すると、俺はドアのそばに行く。

そして、聞き耳を立てた。

「久しぶりだな」

親父の声が中から聞こえた。

…久しぶり?
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