虹の都へ
その瞬間、頭を鈍器で殴られたような感覚が襲った。

瑞希は、親父の子?

「それはわかってる。

瑞希が僕の子供だと言うことは」

「でも瑞希は、あなたのことを知りません。

父親は生まれる前に死んだと、あの子に言い聞かせて育ててきましたから」

父親は死んだ――初めて会った時、瑞希はそう言っていた。

父親は自分が生まれる前に死んだから、母親とずっと2人で暮らしてきたと。

「瑞希と虹――あの子たちは、兄妹なのよ!」

えっ…!?

突然飛び出してきた単語に、俺は耳を疑った。
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