虹の都へ
「ウソだよね…?

ウソなんだよね…?

そうだよね…?」

泣きながら、あたしはお母さんに言った。

「――瑞希…」

あたしの名前を呼んだのと同時に、お母さんが目をあげた。

あたしは驚いた。

お母さんも泣いていたからだ。

何で泣くの?

何でお母さんが泣くの?

「――ごめんね…」

消え入りそうな声で、お母さんが呟いた。

その瞬間、あたしは絶望にたたき落とされた。
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