虹の都へ
何に対しての、“ごめん”なの?

あたしにウソをついていたこと?

あたしに隠していたこと?

いろいろな疑問が、頭の中をグルグルと回る。

「――ごめんなさい…」

お母さんがそう言ったかと思ったら、両手で顔をおおった。

「――ウソよ…」

あたしは、それだけしか出てこなかった。

あたしと虹は、兄妹。

死んだと思っていたあたしのお父さんは、虹のお父さん。

そんなのウソよ。

絶対にウソよ。

ウソよ。
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