虹の都へ

この胸の痛みを治して欲しいなんて思うあたしは、バカだろうか？

そう思いながら、自嘲気味に笑う。

虹は悲しそうに目を細める。

そんな顔、しないで欲しい…。

あなたを、抱きしめたくなってしまうから。

あなたに、「好き」と言ってしまいそうになるから。

虹は目を伏せると、
「わかった」

消え入りそうな声で、虹がそう言った。

「別れよう」

終わった。

あたしたちの関係は、終わった。