虹の都へ
ずっと、そばにいたかった。

虹のそばに、ずっといたかった。

虹のそばで、笑っていたかった。

虹と、笑いあっていたかった。

ただ、それだけだった。

ずっと虹のそばにいたい。

あたしの夢であり、あたしの願い。

かなうことのなかった、あたしの夢。

駅につくと、立ち止まった。

空を見あげる。

ああこんな時でも、空は青いのか。

高くて青い空。

空の青が目に痛くて、あたしは目をそらした。

涙をこらえながら、あたしは駅に入って行った。
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