虹の都へ
片方のペンダントは虹、もう片方はあたし。

2人に1つみたいな感じで買った、ペンダント。

虹と別れた今でも、持っていた。

本当は、捨てたかった。

でも、捨てられなかった。

あたしの中に、虹がいたから。

虹とあたしを繋ぐペンダント。

捨ててしまったら、虹がいなくなってしまいそうだったから。

虹と別れたから、持っていても仕方がないのに。

まだ虹は、持っていた。

忘れるなんて、できないね。

あなたを忘れるなんて、あたしにはできない。

だってあなたは、あたしが愛した人だから。
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