虹の都へ
虹が大原さんと言う人の子供だったこと。

お母さんが虹に手をあげていたこと。

そしてそんな事実があったから、お母さんは全てを隠していたこと。

「だから虹と君は、兄妹なんかじゃない…。

血は、繋がっていない…。

一緒に暮らしていたとは言えど、兄妹じゃない。

だから…」

泣きながら、虹のお父さんが言っている。

あたしと虹は兄妹なんかじゃなかった。

「――瑞希…」

虹のお父さんが、あたしの名前を呼んだ。
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