虹の都へ
「親のコネで会社に入ったからなんて、思われたくないからだよ」
虹が言った。
「…って言うのは、表面上の言い分。
周りにバレた時のための言い訳だ。
本当は、親父の命令」
「命令?」
「俺が社長の息子だって言うことで入社したら、変なことをしてくるヤツがいるから、それの防止のため」
「例えば?」
「男だったら俺をかわいがって出世しようとする。
女だったら俺に近づいて玉の輿に乗ろうとする。
そう言うヤツらが寄ってこないように、会社では“大原虹(オオハラコウ)”と名乗って行動しろって言う親父の命令」
「へえ…けど、何で“大原”なの?」
山田とか田中とか鈴木とか、他にも名字はいっぱいあるはずなんだけど。
「さあな、親父が人前ではそう名乗れって言ってるから」
虹が言った。
「…って言うのは、表面上の言い分。
周りにバレた時のための言い訳だ。
本当は、親父の命令」
「命令?」
「俺が社長の息子だって言うことで入社したら、変なことをしてくるヤツがいるから、それの防止のため」
「例えば?」
「男だったら俺をかわいがって出世しようとする。
女だったら俺に近づいて玉の輿に乗ろうとする。
そう言うヤツらが寄ってこないように、会社では“大原虹(オオハラコウ)”と名乗って行動しろって言う親父の命令」
「へえ…けど、何で“大原”なの?」
山田とか田中とか鈴木とか、他にも名字はいっぱいあるはずなんだけど。
「さあな、親父が人前ではそう名乗れって言ってるから」