虹の都へ
あたしは言った。

「だから、待ってて!

家の前で待ってて!

今から虹に会いに行くから!」

最後のところは、完全に叫んでいた。

「ああ、わかった。

待ってるよ」

「待っててね」

ガチャッと、電話が切れた。

駅に入ると、切符を買う。

改札口を通り抜け、今きた電車に乗り込んだ。

閉まったドアにもたれかかったのと同時に、汗が噴き出た。

呼吸も荒い。

急いでいたからだ。

早く虹に会いたかったから。
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