虹の都へ
そして、虹の匂い。

全てが全て、懐かしい。

「――元気で、よかったよ…」

耳元で流れる、虹の声。

「――あたしも、元気でよかった…」

あたしは言った。

抱きあっていた躰を離し、虹と見つめあう。

見つめあっていたら、虹の顔が近づいてきた。

あたしは、目をつぶった。

唇が、触れる。

同時に、あたしの目から涙がこぼれ落ちた。

唇が離れた。

目を開けると、愛しい人。

「ただいま、虹」

目の前の愛しい人は、優しく微笑む。

「おかえり、瑞希」


☆★END☆★
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