虹の都へ
「……もう、ないと思う」

聞くだけ聞いたし、もうないかもな。

あたしの質問に虹はサラリと答えちゃったし、本当にもうないかも。

「じゃ、決まりね」

虹はクシャリと笑った。

「あ、虹」

「んっ、まだあったの?」

「違うよ」

あたしは首を横に振って答えた。

「よろしく、ね?」

あたしが言うと虹はまたクシャリと笑って、
「ああ、よろしく」
と、言った。

「あ、そうそう」

思い出したように、虹が言った。

「家事はローテーションだから」
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