虹の都へ
ローテーション?

目をパチパチさせるあたしに、
「代わりばんこでやるってこと」

あー、そう言うことね。

「って言うか、虹って家事できるの?」

あたしが言うと、
「できるに決まってるだろ。

金持ちの息子だからと思って、俺が何にもできないとでも?」

挑発でもするように唇をとがらせて、虹が言った。

「そんなこと、言ってないんだけど」

「ジョーダンだよ」

虹が笑ったかと思ったら手が伸びてきて、あたしの頭をクシャクシャにした。

「ちょっ、虹!」

あっという間に、あたしの髪はボサボサのクシャクシャになってしまった。

んもー、ひどいんだから!

手ぐしで髪を整えるあたしを見て、虹はクスクスと笑った。
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