虹の都へ
片づけようとした時、
「そこ、やっておくから」

顔をあげると、視界に入るのはアッシュ系の髪。

柊くんだ。

彼――柊健人(ヒイラギケント)くんは、あたしのバイト仲間だ。

同じ大学に通う同級生でもある。

アッシュの髪と整った顔立ちが素敵な男の子だ。

「高橋、お客さん」

「あ、うん…」

つい、見とれてしまった。

何気にイケメンなんだもん。

世の中の女の子たちが黙ってないよ、きっと。

「じゃあ、よろしくね」

「うん」

柊くんに任せると、あたしは急いだ。

「お待たせしました」

お客様のテーブルにつくと、エプロンのポケットからメモとボールペンを出した。
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