虹の都へ
虹は大げさかと思うくらいのため息をつくと、
「呼んでもこなかったヤツが何言ってんだよ」
と、言った。

はっ?

「呼んでもって…」

呼んでたの?

「さっきから呼んでたぞ。

飯だから早くこい、って」

「あー、そうなの?」

呼んでたのに、あたしは全く気づかなかった。

それくらい、深く考えていたって言うことらしい。

「とりあえず、飯にするぞ?

飯が冷める」

「わかった」

バタンと、ドアが閉まった。

ドアが閉まったのを見送ると、あたしは息を吐いた。

全く、何してんのよ。
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