虹の都へ
そうだ、夕飯の最中だった。

ほったらかしにしていた炒飯は、すっかり冷めてしまっていた。

もはや冷や飯状態。

それでもおいしかったのは、本当に虹が料理上手だからだろうか。

それとも、あたしがそんなことも気にならないくらい心が温かかったのだろうか。

それからはいつも通りの静かな夕飯だったけど、気にならなかった。

何故なのかはわからない。

けど、ただ1つだけ言えること。

虹の顔には、つらいものは見えなかった。

笑顔だったのかと聞かれたら、そうではない。

おかしなもんだな。

いつも通りの出来事なのに気にならないなんて、ね。
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