虹の都へ
その舟に、何故だか知らないけどあたしは乗っていた。

見あげると、大きな黄金の月と宝石のように輝くたくさんの星。

それがキレイで、思わず見とれてしまう。

漂うのは、静寂のみ。

その瞬間、月が光り出した。

あまりにもまぶしくて、目を閉じた。


「…………朝か」

まぶしい太陽の光が、目に痛い。

目をこすりながら、あたしは躰を起こした。

「それにしても…」

ずいぶん、ロマンチックな夢を見たな。

周りを見ても、場所は睡蓮畑の池ではない。

当然、小さな舟に乗ってる訳でもない。
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