虹の都へ
「さて」

時計を見ると、午前2時10分前を差している。

もう寝ようかな。

物件も見つかりそうだし、何よりもう遅いし。

パソコンの電源を落とすと、カタカタと古めかしい音を立てながら、画面から光が消えた。

荷造りは……話が決まってからでいいか。

そう思いながら、電気を消した。

ふとんに潜り込むと、そのまま深い眠りについた。


翌日。

あたしは朝の10時に起きると、1階へ降りた。

掃除機の音が聞こえる。

リビングに顔を出すと、
「あら、おはよう」

あたしの姿に気づいたお母さんが、カチッと掃除機を止めた。
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