虹の都へ
行き場のない思いを抱えながら、手の中のオレンジティーを見つめる。

「それで、さ」

虹が話しかけた。

「何?」

顔をあげて虹を見た瞬間、
「何その顔」

笑われた。

ちょっ…あたし、変な顔してたの!?

確認したいところだけど、自分で自分の顔が見れる訳がない。

虹は虹で笑ってるし…って、
「笑わないでよ!」

笑われてる場合じゃないじゃん!

はっきりと言って、笑われてる場合じゃない!

「ごめんごめん、瑞希がおもしろい顔するから…」

おもしろい顔って、どんな顔なのさ!

そう言う意味も込めて、あたしはまだ大笑いをしている虹をにらんだ。
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