虹の都へ
帰ってきた。

「瑞希」

虹の呼ぶ声が玄関から聞こえた。

何だろ?

あたしは携帯電話をソファーのうえに置くと、玄関に向かった。

「どうしたのー?

……ぎゃっ!」

変な声を出してしまった。

それもそのはず。

これを見て変な声を出さないって方が間違ってるよ。

「な、何これ…?」

あたしは下の“物体”を指差した。

「まあ…」

虹は苦笑すると、ため息をついた。

「ん〜」

そんなあたしたちには気にも止めず、“物体”は大きく寝返りをうった。
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