虹の都へ
「会社帰りにたまたま会ってさ、飲みに行ったんだ」

「ふーん…」

自分でもわかるくらいの不機嫌な声を、あたしは出していた。

あたし、何で不機嫌なんだ?

「それで、いろいろ話した」

それに対しては、あたしは返事しなかった。

あたし、今すごくかわいくない態度とってる。

「瀬名さん、先輩とうまく行ってないらしいんだ」

ポツリと、虹が言った。

……えっ?

あたしは、驚いた。

虹が悲しそうな表情をしていたから。

「先輩とケンカしたらしくて、修復できない状態らしい」

何でそんな顔をして話すのだろう。
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