虹の都へ

焦げたオムレツ

翌朝。

当番であるあたしは、朝食の用意をしていた。

「はあ…」

あたしは息を吐いた。

昨日はあんまり眠れなかった。

胸の中のモヤモヤした感じが、よくわからない。

たまごを混ぜながら、リビングのソファーで眠っている虹に視線を向けた。

何にもないとでも言うようなお気楽な顔が憎たらしい。

昨日の悲しそうな顔が、ウソのよう。

かわいさあまって憎さ100倍って、ヤツ?

なんて思って、フライパンを取り出した時だった。

ガチャッ
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